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TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup2023 Rd.6 SUZUKA CIRCUIT

RACE REPORT

TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup2023 Rd.6 SUZUKA CIRCUIT

TOYOTA Gazoo Racing 86/BRZ Race

堤選手は4番手グリッドから今季3度目の表彰台に登り
最終戦をトップと5ポイント差のランキング2位で迎える

Qualifying #7/4th/2’25”925・#700/19th/2’26”881・#770/25th/2’27”175

新型のTOYOTA GR86・SUBARU BRZに参戦車両を移行し、今年が2シーズン目となる「TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup」。 今季も7戦のシリーズで競っていて、第6戦は三重県にある鈴鹿サーキットで10月28日(土)に予選、29日(日)に決勝レースが開催された。
鈴鹿サーキットはトップカテゴリーであるF1も開催され、世界中のドライバーから高い評価を得ている。一方でオーバーテイクが難しいコースとしても知られており、優勝するためには予選で良いグリッドを獲得することが重要だ。T by Two CABANA Racingは2019年に3位、昨年は優勝していて相性の良いコースと考えている。

今シーズンはエースドライバーの堤優威選手が、現在ポイントランキングでトップから9ポイント差の2位につけて今大会を迎えた。700号車を駆る地頭所光選手は開幕戦でポイントを獲得したものの、その後は悪い流れが続いてしまった。しかし昨シーズンの鈴鹿大会では表彰台を獲得しているため、ここで流れを変えたいところ。770号車の山田遼選手は、今年からプロフェッショナルシリーズに参戦を始めたためいまだにノーポイントだが、上位勢との差は着実に縮まっており、上位入賞も時間の問題と考えている。

TOYOTA GAZOO Racing予選 堤 優威選手が乗るADVICS CABANA86 7号車のタイヤホイールアップ

CABANA Racing

TOYOTA GAZOO Racing予選 山田 遼選手が乗るADVICS CABANA86 770号車

CABANA Racing

チームは10月上旬に鈴鹿サーキットで事前テストを行なっていて、その際に得たデータを元に持ち込みのセットアップを決めてきた。レースウィークは10月26日(木)から走り出し、まずはマシンのチェック、そして決勝レースを想定した走行テストなどを行なう。翌日の27日(金)は特別スポーツ走行枠が1本と、タイム計測のある専有走行の枠が設けられており、専有走行枠では予選のシミュレーションを実施し、セッション開始直後に3台ともニュータイヤを投入。堤選手はトップと0.279秒差の2分26秒434で2番手、山田選手は1.119秒差の2分27秒274をマークし14番手、地頭所選手は2分28秒061で26番手となった。
10月28日(土)は、前日の夕方に降った豪雨が嘘のように、朝からスッキリとした秋晴れでの予選日となる。メインカテゴリーでのアクシデントのため予定より10分遅れたが、ドライコンディションのもとで10時40分から15分間で競われた。多くのチームは予選開始直後にコースインするが、CABANA Racingはアタックするタイミングをずらすことに決め、予選開始1分後に堤選手と山田選手の2台がコースイン。地頭所選手はさらにタイミングを遅らせ、最初にアタックした集団がピットに戻ってきたところでコース入った。チーム最上位となった堤選手は前日の好調さをキープし、前年のコースレコードを更新する2分25秒925を記録するもののトップと0.419秒差で悔しくも4番手。堤選手に次いでアタックした山田選手は、先行するマシンに引っかかってしまいトップから1.669秒差の2分27秒175で25番手。最後にアタックした地頭所選手はトップから1.375秒差の2分26秒881で19番手となった。
前日夜に降った雨や、直前にスーパーフォーミュラの予選が行われたので路面状況の変化が心配されたが、その影響はほぼなく3台ともに予選を終えた。

TOYOTA GAZOO Racing決勝

CABANA Racing

Final #7/2nd/19’51”677・#700/15th/20’03”487・#770/22th/20’11”755

TOYOTA GAZOO Racing決勝 走行中の堤 優威選手が乗るADVICS CABANA86 7号車

110月29日(日)は雲一つない快晴の中、GR86/BRZCup プロフェッショナルシリーズの第6戦決勝レースが8周で競われた。12時00分からスタート進行が始まり、スーパーフォーミュラと併催されたこともあってか、多くの関係者やファンでグリッド上は賑わいをみせた。
予定通りの12時15分に決勝レースがスタートし、4番グリッドの堤選手は1コーナーまでに2台をオーバーテイクし2番手に浮上。2周目のヘアピンコーナーではポールポジションからスタートした♯10菅波選手の背後に急接近しイン側から並びかけた。だが、追い抜くまでには至らず、次のチャンスを伺うことになる。3周目以降は後続のマシンが1秒以内に接近してきたものの要所を押さえる。堤選手はなかなかペースを上げられず、レース中盤の5周目には3位を走る♯121蒲生選手にコンマ2秒差まで近づかれる。しかし堤選手は、終盤になると後続とのギャップを再び築き、最終的にはコンマ5秒の差をつけて2位でチェッカーフラッグを受けた。これによってシリーズランキングでは、トップの♯88井口選手との差を9ポイントから5ポイントまで縮めて、最終戦を迎えることになった。

19番スタートの地頭所選手は、順調な蹴り出しで1周目に2つポジションを上げる。レース中盤以降も前のマシンにプレッシャーをかけていくが、思ったほどペースが上がらなかったためオーバーテイクできず、7周目に先行していたマシンがトラブルで後退したため16位でレースを終えた。しかし、正式結果では上位のマシンにペナルティがあり15位となった。
山田選手は25番グリッドからスタートし、2周目まではスタートのポジションをキープ。3周目に1つ順位を下げるものの、オーバーテイクされたマシンに食らいついていき、6周目に抜き返し順位を取り戻す。さらに前のマシンにトラブルなどがあり23番手に浮上。終盤は先行するマシンよりペースが良く追い上げていくが、順位を上げるには周回数が足りず23位でチェッカーとなった。地頭所選手同様、レース後に上位のマシンにペナルティがあったため正式リザルトは22位となった。

11月25~26日に開催される次戦の富士スピードウェイが、今シーズンの最終戦となる。11月上旬にはチームでテストを実施する予定なので、堤選手は初のシリーズチャンピオン獲得に向けて、地頭所選手と山田選手は本来の実力を発揮し、最終戦を今シーズン最高成績で終えられるように、チーム一丸となってサポートし準備を進めていく。

TOYOTA GAZOO Racing シリーズランキング2位となった堤 優威選手
COMMENTS
  • カバナレーシング チーム代表兼監督 安藤宏

    Team Chairman/Director

    安藤宏チーム代表兼監督

    堤選手はレースウィークを通して勝負できる速さがあったため結果として、決勝レースで表彰台を獲得できたと感じています。決勝レースの前半は主導権を持っていて攻めていけたようですが、後半は後続からプレッシャーを受けて防戦のレースとなりました。それでも、粘り強くポジションを守ってくれ、貴重なポイントを積み重ねられました。最終戦は自らチャンピオンを取りに行く走りができるようにサポートしていきます。地頭所選手と山田選手は本来のパフォーマンスを出し切れない予選でしたが、決勝レースではポジションを上げることに成功して、内容としても評価できます。最終戦では3台ともに最高の結果が残るよう、しっかりとした事前準備を行なっていきます。

  • 堤 優威選手

    Driver

    堤 優威選手

    レースウィークの前にテストする機会があり、今戦では今までと異なったセットアップで走り始めました。路面コンディションと合っていたようで、ニュータイヤを履いた27日の練習走行ではトップ、その後の専有走行でも2番手と上位で戦えるマシンに仕上がりました。予選では走路外走行を意識して少し余力のある走りとなってしまいましたが、それでも4位で決勝レースを迎えました。決勝レースはスタート直後に2台をパスして先頭を追いますが、ペースが上がらず優勝は逃してしまいました。最終戦はチャンピオンが掛かったレースとなりますが、とにかく勝つことだけを考えて走りたいです。

  • 地頭所 光選手

    Driver

    地頭所 光選手

    事前のテストとレースウィークの走り出しともに、思ったようなタイムが出ずに苦戦をしいられました。セットアップは26日、27日の走行で決まったのですが、スピードが足りず上位を狙える状態ではなかったです。決勝レースは直近の2レースでクラッシュに巻き込まれていたので、最後まで走りきることを最大の目標としていました。スタート後に2台をパスするとその後も先行しているマシンを追えました。しかし、終盤はタイムが伸びずポジションが上げられませんでした。トラブルなくゴールできたことは良かったですが、ポイント圏内での走りができず残念です。

  • 山田 遼選手

    Driver

    山田 遼選手

    6戦目にしてもっとも良い流れのレースウィークでしたが、予選の判断ミスによって決勝レースは中団からの発進となり22位となってしまいました。26日の走り出しはセットアップで悩んだところもありましたが、堤選手と地頭所選手のマシンと似た方向性にしたことで乗りやすくなりタイムも向上しました。27日の専有走行と特別スポーツ走行ではトップ10に迫るタイムだったため予選に向けて自信を持っていたのですが、アタック時のポジション取りが上手くいかずポテンシャルを引き出せず悔しい結果となりました。次戦は最終戦となるので、早めにマシンの方向性を決めて最高のレースにします。

  • カバナレーシング チーフエンジニア 山崎登

    Chief Enginner

    山崎登チーフエンジニア

    今戦は事前のテストができ、その内容を踏まえてセットアップを行ないました。堤選手と山田選手は手応えがあり、スポーツ走行枠から好タイムを記録できました。それだけに山田選手の予選は、アタックするタイミングが悪く悔しい結果となりました。地頭所選手は走り出しからスピードが足りず試行錯誤を重ねていきましたが、予選までにまとまり切りませんでした。決勝レースは堤選手が抜群のスタートから2位となり、タイトル争いに残ることができました。山田選手と地頭所選手はともにクリーンなレースで無事にマシンをゴールまで運べたことは良かったです。最終戦は3台ともに有終の美を飾れるように、準備をしていきます。