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TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup2022 Rd.2 SUGO

RACE REPORT

TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup2022 Rd.2 SUGO

TOYOTA Gazoo Racing 86/BRZ Race

突然のウエットとなった予選から、ドライの決勝と状況が変わる中で
堤選手がファステストラップを記録し5位、石坂選手が初ポイントの6位入賞

Qualifying #7/8th/1’14”698・#700/20th/1’47”412・#770/5th/1’46”444

新たなマシンとレギュレーションで7 月に開幕を迎えた 「TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup」。国内屈指の人気を誇る ワンメイクレースは新シリーズでも大いに盛り上がりをみせ、開幕 戦から90台近いマシンがエントリーした。
「T by Two CABANA Racing」は2018 年より前身となる86/BRZ Race のプロフェッショナルシリーズに参戦してきた。今季はチーム の母体となる株式会社東名の社員ドライバー堤優威選手が7 号車 に、様々なカテゴリーで活躍してきた経験を持つ阪口良平選手が 700 号車に、若手ドライバーで上位カテゴリーへのステップアップ を目指す石坂瑞基選手が770 号車に乗り、3 台体制でGR86/BRZ Cup を戦うこととなった。
第2 戦は宮城県のスポーツランドSUGO が舞台で、8 月19日(金) にタイム計測が実施される専有走行、20 日(土)に予選、21日(日)に 13 周の決勝レースが実施された。
チームは開幕戦の富士スピードウェイの後にプライベートテス トを行ない、ドライバー、エンジニアともにマシンへの習熟度を深 めて第2 戦へ挑んだ。

第2 戦の走り始めは17 日(水)で、この日はセットアップの確認 を含めたチェック走行が中心となる。18 日(木)は3 枠のスポーツ走 行が設けられていて、予選シミュレーションや決勝レースを想定し たロングランを実施。翌19 日(金)は専有走行が13 時35 分から30 分間にわたって行なわれた。走行初日から好調な様子をみせていた 7 号車の堤選手は、2 セットのニュータイヤを履き2 回目のタイム アタックで1 分36 秒908 の全体トップタイムをマーク。700 号車 の阪口選手も1 分37 秒198 で5 位となり、2 台は予選に向けて順 調な仕上がりをみせた。参戦2 戦目となる770 号車の石坂選手は、 コースコンディションに合わせ切れず1 分38 秒039 で27 位とな った。

スポーツランドSUGOレースの様子

CABANA Racing #770

T by2 CABANAレーシングピットの様子

CABANA Racing #7

予選日となった20 日(土)は前日までの好天から一転して曇り空 となる。予選時間の昼過ぎには雨が降ることも予想された。それで も、プロフェッショナルシリーズの直前に組まれていたクラブマン シリーズの予選では、雨は降らずドライコンディションで開催され た。ところが、プロフェッショナルシリーズの予選時間が迫ると雨 雲がサーキットを包み、開始直後に大粒の雨が降り出す。コンディ ションが悪化する前にタイムを残したいということでエントリー した37 台が一斉にコースに入る。すると5 分が経過したところで スピンした車両がコースサイドのスポンジバリアに衝突し、セッシ ョン中断の赤旗が提示される。中断の間に天候は小雨となったが、 路面は全面的に濡れてしまった。3 台ともにタイヤの内圧を調整し て再度コースに入ると堤選手が計測6 周目に1 分46 秒698 をマー クし8 番手、阪口選手は計測3 周目に1 分47 秒412 を記録するが、 ここからタイム更新できず20 番手、石坂選手は計測5 周目に1 分 46 秒444 をマークし5 番手となった。突然の雨によってコンディ ションが変化したものの、堤選手と石坂選手がシングルポジション を獲得し、決勝レースを迎えることとなった。

CABANA Racing

Final #7/5th/21’39”922・#700/14th/21’48”125・#770/6th/21’42”540

第3戦オートポリスラウンドの決勝レースの様子

前日の予選は突然の降雨によってウエットコンディションとなっ たが、決勝レース日の8月21日(日)は早朝から晴れ渡り、スポーツ ランドSUGOには強い日差しが照り付けた。プロフェッショナルシリ ーズの決勝レースは、予定通りの13時10分に参加した全車がコース インする。気温はレースウィークの中でもっとも高い33℃となり、路 面温度は47℃まで上昇。ドライバーにとっては過酷な状況での決勝 レースとなった。

T by Two CABANA Racingの3台は、770号車の石坂選手が5番 手、7号車の堤選手が8番手、700号車の阪口選手が20番手からス タート。石坂選手は1コーナーの進入で行き場を失いポジションを 下げ、堤選手も1コーナーまでに1台にパスされてしまう。だが、オー プニングラップは各所でコースオフなどの混乱があり、1周目のコン トロールラインを石坂選手が6番手、堤選手が8番手、阪口選手は 17番手で通過。2周目には堤選手がファステストラップを記録し、先 行するマシンとのギャップを縮める。翌3周目には7番手のマシンを パスし順位を上げ、石坂選手の背後に迫る。770号車と7号車の2台 のバトルは5周にわたって続く。ドライコンディションでは堤選手に アドバンテージがあり、8周目の4コーナーで堤選手が石坂選手のイ ン側からパスする。6番手に浮上した堤選手はペースアップし、トッ プ5のマシンを追う。石坂選手は、堤選手にパスされると同時にも う一台にも抜かれてしまい8番手に後退。終盤になっても堤選手の ペースは落ちず11周目には5番手に浮上するが、4番手とは1秒ほど のギャップがあり逆転は難しい状況だった。8番手までポジション を下げた石坂選手は後続からプレッシャーをかけられるが、それで もポジションを守り続ける。結果として堤選手は5番手で、石坂選 手はファイナルラップのコントロールライン前に7番手に浮上しレー スを終えた。

オープニングラップに17番手までポジションを上げた阪口選手 は、3周目にトップグループと遜色ない1分38秒519の自己ベストタイ ムをマークすると6周目に1ポジション、翌7周目にさらに1ポジショ ンアップし15番手となる。中盤以降もラップタイムは落ちずに周回 するが、序盤に先行集団から離れてしまったことによりパッシング には至らず、13周目に15位でチェッカーを受けた。正式結果は6位 でゴールした選手にペナルティが科されたため堤選手は5位のまま だが、石坂選手が6位、阪口選手が14位と1ポジションアップして第 2戦を終えた。
開幕戦から約1ヶ月のインターバルで開催された第2戦は、3台と もに大幅な進化を見せて、路面コンディションによってはトップレベ ルの状態にあることを示した。堤選手は5位入賞とファステストラッ プにより9ポイントを獲得、石坂選手は6位入賞で初となる7ポイン トを手にしている。次戦は本州を離れ北海道の十勝スピードウェイ で9月24日、25日に実施される。

ADVICS CABANA86レースの様子
COMMENTS
  • 安藤宏チーム代表兼監督

    Team Chairman/Director

    安藤宏チーム代表兼監督

    開幕戦から短い期間ですが、チームとしては新しいマシンやタイヤの特性を掴み始めたと思います。スプリントレース の86/BRZ Cupはやはり予選の結果が重要で、予選への対応力が常に課題にはなってきます。一方で決勝レースでは、 3台とも力強いペースによりライバルを抜いてくれました。今季から参戦している石坂選手はスタート順位から落とし はしましたが、粘り強く走り86/BRZ Race時代から上位で走っているライバルに遜色ない争いを見せてくれました。堤 選手はファステストラップを記録し、結果としてもブリヂストンタイヤ勢のトップで、天候や展開次第では優勝も狙え たと思います。阪口選手は予選で運に見放されましたが、次戦では上位で戦ってくれると確信しています。この調子 を維持して、次戦の十勝では3台ともにポイントを獲得できるように準備します。

  • 堤 優威選手

    Driver

    堤 優威選手

    今回は走り出しから調子が良く、自信を持ってレースウィークに臨めました。タイヤやブレーキ、持ち込みのセット アップもコース状況と合っていて、ドライの専有走行ではトップタイムをマークできました。予選ではスタート前に ウエットコンディションになり、ブリヂストンタイヤ勢にとっては不利な状況でした。同じタイヤを履くマシンの中 ではトップでしたが、ドライなら違った結果になっていたはずで残念です。決勝レースではファステストラップを獲 れて、ポテンシャルがあることは示せました。それだけに予選の順位が悔やまれますが、状況は良くなっているの で次戦の十勝が楽しみです。

  • 阪口 良平選手

    Driver

    阪口 良平選手

    開幕戦は車両トラブルで戦えませんでしたが、菅生戦までにテストもでき自信のある状況で第2戦を迎えま した。今回装着したダンロップタイヤに対しての理解度も増し、ドライコンディションの専有走行では5番手 のタイムでした。しかし、予選はデータのないウエットコンディションとなり、想像したパフォーマンスを引 き出すことができませんでした。決勝レースは途中から単独走行となり、タイヤのグリップが落ちてきた最 終盤に走り方を変えたら予想を超えるラップタイムで走れました。リザルトは残念でしたが、獲れたデータ などを考えると内容の濃いレースでした。この経験を活かして第3戦以降は得意なサーキットが続くので、 上位争いをしていきます。

  • 石坂 瑞基選手

    Driver

    石坂 瑞基選手

    走り始めから専有走行までのドライコンディションでは、ドライビングを合わせ切れず後方に沈んでしまい ました。ただチームメイトからアドバイスをもらい、ドライビングの課題が明確になりました。ウエットコン ディションでは開幕戦でも手応えがあったので、予選の雨は運があったと思います。決勝レースは課題を克 服できるように走ったつもりで、回りと比べて専有走行ほどの差はありませんでした。ただレース展開は先 行するマシンについていくのが精一杯で、パッシングすることができませんでした。今回は激戦の86/BRZ Cupで初めてポイントも獲得でき自信にも繋がりました。収穫の多いレースだったので、反省点を見直して 次戦に臨みたいです。

  • 山崎登チーフエンジニア

    Chief Enginner

    山崎登チーフエンジニア

    開幕戦後に富士スピードウェイでテストを実施し、各車ともに方向性が見えてきました。堤選手は走り出しから手 応えがあり、上位入賞が見込める状態でした。予選結果が悔やまれますが、決勝レースでは実力通りの走りを披 露してくれました。阪口選手はダンロップタイヤを履いたのですが短時間でポイントを押さえ、ベテランドライバー らしく性能を引き出していました。結果は残りませんでしたが、良い方向へのステップは踏んでいます。石坂選手 は専有走行まで苦戦していましたが、阪口選手のアドバイスなどで課題を克服しつつあります。ワンメイク車両の 走行経験が少ないのでテストを重ねて、常に上位で争えるドライバーになってもらいたいです。チームとしてはマシ ンの理解度が増し、かなり前進できたラウンドでした。次戦は3台ともにポイントを獲得したいです。